重文を国宝に格上げ 統一検討

 政府が国の重要文化財を国宝に格上げし、観光資源として海外にPRする方向で検討を始めたことが7日、分かった。日本のアニメや伝統文化を海外に売り出す「クールジャパン」戦略の一環。文化財の呼称を「国宝」に統一し、観光庁が目指す年間1千万人の外国人訪日構想につなげる。

 今月3日に開かれた政府の「クールジャパン推進会議」で、内閣府の政務三役が「文化財を観光資源としてもっと活用すべきだ」と国宝への呼称統一を提案。4月中に同会議がまとめる提言に盛り込まれる可能性が出てきた。

 文化庁によると、国の重要文化財は1万2874件だが、そのうち国宝は10分の1以下の1085件(今月1日現在)。昭和25年に文化財保護法が施行され、それまで全て「国宝」と呼ばれた文化財のうち、ごく一部を国宝に指定し、残りを重要文化財とした。

 歴史的価値の高い建造物や工芸品は各地に点在しているが「重要文化財」は英訳で「インポータント・カルチュラル・プロパティ」となり、海外へのアピール力が弱く、観光資源としての活用も不十分だった。

 これに対して国宝は法的には重要文化財の一種だが英訳は「ナショナル・トレジャー」で、諸外国でも一般的な表現。外国人にも分かりやすい呼称に改めることで、観光客を呼び込む起爆剤としたい考えだ。

 ただ、文化庁には「重要文化財を全て国宝に指定すれば、国宝としての希少価値が薄まる」との慎重論もある。

北日本 暴風や高波など警戒を

 東北地方の日本海側と太平洋側で北東へ進んだ二つの低気圧は8日未明、北海道付近で一つにまとまり、さらに発達して北のオホーツク海方向へ進んだ。気象庁は北海道と東北では同日夜遅くにかけて非常に強い風が吹くとして、引き続き暴風や高波に警戒するよう呼び掛けた。
 最大瞬間風速は福島県白河市で8日午前4時半前に29.8メートルを観測した。8日は陸上では30~35メートル、海上では35メートルと予想され、交通機関の乱れが続く恐れもある。 

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