体罰 校名公表の効果と懸念

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 東京都教育委員会は23日にまとめた学校の体罰調査の中で、昨年度に教職員と外部指導員の体罰が確認された公立小中高校全130校の学校名を公表する異例の措置を取った。都教委は「具体例を示すことで再発防止を促す」と意義を説明し、公表対象となった学校は信頼回復に向けた対策を急いでいる。一方で「誰が体罰をしたかの犯人捜しになってしまう」と悪影響を懸念する現場の声もある。

 都立随一の進学校として知られる日比谷高(千代田区)。弓道部での体罰が「程度が著しい」として公表されたが、武内彰校長は「より高い実績を上げようとしたことが背景にあった」と分析する。既に部員や保護者に謝罪し、この教諭を部活動の指導から3カ月間外した。研修や年3回の管理職による面接などで再発防止の徹底につなげる構えで、校名公表は「都の決意の表れ」と受け止める。

 同じく公表対象になった野津田高(町田市)の博田英明副校長も「二度と体罰を起こさないという意識付けになる」と前向きにとらえる。問題発覚後の全教員との面接では、体罰根絶の方策を書かせ「生徒の言い分をよく聞く」「時間に余裕のある時に落ち着いて指導する」などの提案が出たという。今後、外部の専門家を招いた講習会も検討している。

 一方、複数の小中学校名が公表された板橋区教委の担当者は「生徒に余計な心配をさせるのでは……」と漏らす。混乱を避けるため、発表前に対象校の保護者には連絡していたが「犯人捜しが始まり、当事者ではない教員まで疑われる可能性もある」と危惧する。

 施錠した部屋での教員の体罰が確認された本所工業高(葛飾区)の三田清一校長は「全校生徒80人の小規模校なので、被害者も特定されやすい。生徒が嫌な思いをしないか心配だ。校名は公表してほしくなかった」と話した。【竹内良和、佐々木洋、和田浩幸】


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