淡路島地震 進まぬ住宅再建

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 兵庫県・淡路島で震度6弱を観測した地震は、13日で発生から1カ月。古い住宅が立ち並び大きな被害が出た同県洲本市の炬口(たけのくち)地区では、住民の住宅再建が難航している。従来の被災者支援制度の網目から漏れた一部損壊の住宅が被害の大半を占め、修理ができないまま移転を決意する住民も現れるなど、厳しい現実に直面している。



 「雨を避けるため、せめて屋根だけは直さないと」。同市炬口地区に住む70代の無職女性は苦悩の表情をみせた。自宅は瓦や壁土がはがれ、建物がゆがんで戸が閉まらない状態で、市に一部損壊と判定された。

 兵庫県のまとめ(10日現在)では、県内の建物被害は8800棟。洲本市では4454棟の被害のうち一部損壊の住宅が3721棟を占めた。

 しかし、一部損壊の住宅には、現行制度で国などの支援メニューがほとんどない。阪神大震災後成立した「被災者生活再建支援法」は全壊、大規模半壊の住宅再建を国が支援するが、一部損壊は対象外だ。

 このため、同県は特別に一部損壊にも見舞金を給付、同市も独自に一部損壊住宅へ10万円の助成を始めた。ただ、市の助成は壊れた屋根、屋根と壁を同時に修理した場合で費用20万円以上の工事が対象となっている。

 この女性の場合は屋根の修理に40万円以上が必要で、市の助成対象とはなったものの、工事には30万円以上の自己負担を強いられる。一人暮らしの女性の収入は月約10万円の年金だけで、「全面修復は難しい」と覚悟している。

 また、助成制度は「持ち家」が対象で、借家住まいの状況はさらに厳しい。

 同地区に住むパート勤務、山本信子さん(66)の月収は年金と掃除の仕事で10万円足らず。借家の修理は進まず、家賃2万5千円の今の家から引っ越すことを決め、公営住宅を探している。

 修理費が工面できず、転居せざるを得なくなった住民もいる。妻と子供の3人暮らしの無職、中野幸弘さん(83)の自宅は半壊。収入は年金だけで費用面を考えても建て直しは困難だ。「半壊の罹災(りさい)証明はもらったが、(住むのが危険なので)出ていくしかない」。新しい住居などは、まだ決まっていない。


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