所得増加 具体策欠く成長戦略

安倍晋三首相が5日に成長戦略第3弾を発表し、14日に正式決定する成長戦略の主要項目が出そろった。

成長戦略第3弾、国家戦略特区創設や対日投資加速:識者はこうみる

日本経済が本当に競争力を回復できるか内外投資家の注目を集めていたが、一律の法人減税や、雇用流動化策が盛り込まれなかったため、主軸となる政策が抜け落ちているとの指摘を専門家から受けている。このため投資の自由度確保や、不採算事業からの撤退と新事業シフトへの足かせが残り、産業構造の変革や国民所得押し上げの力が不十分で、具体的な支援策に乏しい内容と評価されている。

<法人減税触れず、投資促進とちぐはぐに>

安倍首相は今回の成長戦略で、10年後に1人あたり国民総所得(GNI)を現在の水準から150万円増加させるという所得目標を掲げ、リーマンショック前の水準と並ぶ年間70兆円規模の設備投資回復を目指した。

しかし、達成するための具体策は示されなかった。「税制支援なき成長戦略」(第一生命経済研究所・主席エコノミスト・熊野英生氏)では、所得増加や投資増強への推進力に欠けると見られている。

中でも成長戦略で企業が最も期待していた法人減税について、安倍首相は今回の成長戦略に盛り込むことができなかった。経済界では「次の成長につながる投資を実施するかどうかは、一律の法人減税が大きなファクターになる」(経団連)とみているだけに、肝心の法人減税に触れずじまいだったことに「減税議論が打ち止めになることは心配だ」として懸念を隠せない。

5月ロイター企業調査でも、成長戦略への期待項目として法人減税が最も多かった。多数の企業が法人税減税について「内部留保に直接寄与し、グローバル競争力確保の投資や賃金増加に使える」と回答している。内需型企業からも「新規事業分野へのトライを促すための余裕を生み出せる」として期待されていた。

政府も、投資対象を限定した政策減税については検討課題として念頭においている。甘利明・経済再生担当相は5月28日の諮問会議後の会見で「日本の競争力強化に資するような研究開発や設備投資については、大いに検討していい」と政策減税について前向きな発言をしている。

しかし、企業サイドからみると「目的や需要に縛られて新たな事業への投資への自由度が奪われる政策は、効果が一部の業界や投資項目に偏る」(経団連)として、さほど歓迎されていない。

ただ、財政状況の厳しい中で法人税を一律下げることについては、甘利担当相も「財政余力との相談になる」と指摘しており、財政再建とのバランスに政府も苦慮する面があるのは事実だ。

もっとも企業にとって、部分的には評価されるべき政策も盛り込まれている。ベンチャー企業支援策として、中小企業事業者の借り入れの際に「個人保証」を求める慣行からの脱却を目指すことが盛り込まれた。商工中金では「アジアへの進出という海外展開支援策と、個人保証の見直しにより、中小企業は新事業の展開がやりやすくなる」として、歓迎している。

<産業構造改革に不可欠な雇用流動化、明記されず>

日本再生のもう一つの切り札として成長戦略に期待されていたのが、雇用の流動化策だ。日本が海外企業から遅れをとった原因の一つが、不採算事業からの撤退の遅れと新規事業への円滑な雇用資源のシフトが進まないことにあると、専門家は指摘している。

今回の成長戦略では、厳しい条件の下で実施されている人員整理解雇を、条件を緩和して好況時にも、企業が大胆な事業再編が行いやすよう雇用シフトを進め、一方で再雇用などセーフティネットを拡充することが求められていた。

例えば、電機業界では不採算事業からの撤退が遅れ、競争力低下を招いたが、企業からは「解雇条件が厳しく、国際競争力低下の要因となっている」(5月ロイター企業調査)との声が寄せられていた。

こうした状況について、日本総研・調査部長の山田久氏は「欧米企業と比べて競争上、不利になっている。日本では不況期に事業再編のための整理解雇が認められているが、本来は景気のいいときに、新事業が出てきて、人とカネをシフトさせるべきで、それをルール化して背中を押すことが必要」だと指摘している。

なぜ、議論が進まなかったのか──。山田氏はそもそものメンバー選びに失敗したとみている。本来は政労使で議論するはずのこの問題について、産業競争力会議の会合では経営者と学者と政治家だけが議論をし、労働者側のメンバーを参加させていない。このため、労働者側に後ろ向きの解雇との印象を与えかねないとの懸念を生み、「小粒の政策ばかり」(山田氏)に終わってしまったとも言えそうだ。

<喫緊の課題・賃金引上げ策、明確な目標なし>

安倍首相が掲げた国民所得の増加は、円安コスト転嫁や期待インフレ率の芽生えなどで物価が上がり始め今、賃金上昇が喫緊の課題となるなか、重要なテーマに浮上している。

しかし、「どうやって賃金を上げるかについては、首相は微妙に避けている」(熊野氏)と指摘される。目標数字を掲げるにしても、「国民所得の増加というわかりにくい概念をもちだすよりも、賃金増加目標を掲げる方がはるかにわかりやすい」(同氏)というわけだ。

このほか、安倍首相は国家戦略特区での国際ビジネス環境を盛り込んだ。外国人医師の受け入れや、容積率規制の緩和などを挙げている。もっとも特区による試みがどの程度波及していくのか未知数だ。

安倍首相は、アベノミクスが異次元緩和と大規模な財政出動による一時的効果に終わらないと力説してきた。

そして、今回の成長戦略でも「目標を達成するまで政策を打ち続ける」と力説した。踏み込み不足となった主軸の政策についても、今後も議論を継続し見直しが入る可能性はあるだろう。経団連では「今後、防災対策や企業に優しい成長戦略に信頼が持てれば、企業も、震災後に海外シフトした中長期事業計画を再考することになるかもしれない」とみている。

(ロイターニュース:中川 泉 編集:田巻 一彦)

イチロー「打撃の神」超える

<ヤンキース6-4インディアンス>◇5日(日本時間6日)◇ヤンキースタジアム

 ヤンキースのイチロー外野手(39)が、インディアンス戦でメジャー通算2655安打目を放ち、テッド・ウィリアムズの記録を抜いて歴代単独72位に浮上した。

 この日はスタメンを外れ、7回守備から右翼で途中出場し、8回先頭の打席で遊撃内野安打を放った。1打数1安打で、今季49安打目、通算で2655安打となった。

 チームは、エース左腕サバシアが7安打4失点ながらも完投し3連勝。イチローは「今日はCCがエースの感じ出してたね。マリアノが使えないときにきっちり、気持ちいいですね」と話した。

剛力彩芽 初の男装姿を披露

 女優の剛力彩芽さんが、14年新春公開予定の映画「黒執事」(大谷健太郎監督)で演じる男装の少女の場面写真が6日公開され、初挑戦の男装と眼帯姿を披露した。同作は水嶋ヒロさん3年ぶりの映画復帰作で、5月中旬にクランクアップし、水嶋さんの執事姿とともに役衣装姿を披露している。


イ・ビョンホン 女優と結婚へ

韓国芸能界にまたひとつ、ビッグカップルが誕生する。韓流スターのイ・ビョンホン(42)と女優イ・ミンジョン(31)が結婚することが明らかとなった。





 イ・ビョンホンの所属事務所BHエンターテインメントは5日「イ・ビョンホンとイ・ミンジョンが8月10日午後6時よりグランドハイアットホテルにて挙式を行う」と明らかにした。

 事務所側は「イ・ビョンホンが今後、俳優の本業に集中して取り組み、一家の主としてもさらに良い姿をお見せできるように努力していく」と伝えた。

 韓国芸能界では、2010年のチャン・ドンゴン&コ・ソヨンに続くトップスター同士の結婚となった。

 2006年、知人の紹介で初めて出会った2人は、一時別れを経験していたが、昨年に復縁。昨年8月、公式サイトを通じて交際を認め、公式カップルとしてデートを楽しむ姿が目撃されていた。

 最近では、イ・ミンジョンが友人の挙式にイ・ビョンホンを連れて参加し、ブーケを受け取っていたことが報じられ、結婚が間近なのではないかとささやかれていた。

 1991年KBS14期公採タレントとしてデビューしたイ・ビョンホンは、ドラマ「ハッピートゥギャザー」や「美しい日々」、「オールイン」、「アイリス」、映画「JSA」、「バンジージャンプをする」などを通して韓国を代表する俳優に浮上。昨年には映画「私は王である」が国内で観客1千万人を動員し、トップスターとして名声を再確認するに至った。

 海外でもぺ・ヨンジュンと共に韓流スターとして人気を集め、ハリウッドにも進出。現在は、ブルース・ウィルスとタッグを組んだ映画「レッド2」の公開を控えている。

 一方、成均館大学演技芸術学部を卒業したイ・ミンジョンは、演劇舞台を経て2006年MBC朝ドラマで放送デビュー。以降、映画「白夜行」や「シラノ・エージェンシー」「ワンダフルラジオ」、ドラマ「マイダス」、「ビッグ」などに出演した。なお先ごろ、ドラマ「私の恋愛のすべて」を無事に終演した。

アントニオ猪木氏が出馬表明

元プロレスラーのアントニオ猪木氏は5日、国会内で記者会見し、「日本維新の会」から夏の参議院選挙の比例代表に立候補すると表明した。
猪木氏は、「元気ですか!元気があれば、新しい風を吹かせられる。維新にさらなる新しい風を吹かせたいと思い、今回出馬を決心しました」と述べた。
猪木氏は、日本維新の会から立候補する理由について、「維新の会が今、一番逆風を受けている。逆風を変えることが、維新の会だけでなく、日本にとって大事なことだ」と説明した。

2013-06-06

[東京 5日 ロイター]-安倍晋三首相が5日に成長戦略第3弾を発表し、14日に正式決定する成長戦略の主要項目が出そろった。

日本経済が本当に競争力を回復できるか内外投資家の注目を集めていたが、一律の法人減税や、雇用流動化策が盛り込まれなかったため、主軸となる政策が抜け落ちているとの指摘を専門家から受けている。このため投資の自由度確保や、不採算事業からの撤退と新事業シフトへの足かせが残り、産業構造の変革や国民所得押し上げの力が不十分で、具体的な支援策に乏しい内容と評価されている。

<法人減税触れず、投資促進とちぐはぐに>

安倍首相は今回の成長戦略で、10年後に1人あたり国民総所得(GNI)を現在の水準から150万円増加させるという所得目標を掲げ、リーマンショック前の水準と並ぶ年間70兆円規模の設備投資回復を目指した。

しかし、達成するための具体策は示されなかった。「税制支援なき成長戦略」(第一生命経済研究所・主席エコノミスト・熊野英生氏)では、所得増加や投資増強への推進力に欠けると見られている。

中でも成長戦略で企業が最も期待していた法人減税について、安倍首相は今回の成長戦略に盛り込むことができなかった。経済界では「次の成長につながる投資を実施するかどうかは、一律の法人減税が大きなファクターになる」(経団連)とみているだけに、肝心の法人減税に触れずじまいだったことに「減税議論が打ち止めになることは心配だ」として懸念を隠せない。

5月ロイター企業調査でも、成長戦略への期待項目として法人減税が最も多かった。多数の企業が法人税減税について「内部留保に直接寄与し、グローバル競争力確保の投資や賃金増加に使える」と回答している。内需型企業からも「新規事業分野へのトライを促すための余裕を生み出せる」として期待されていた。

政府も、投資対象を限定した政策減税については検討課題として念頭においている。甘利明・経済再生担当相は5月28日の諮問会議後の会見で「日本の競争力強化に資するような研究開発や設備投資については、大いに検討していい」と政策減税について前向きな発言をしている。

しかし、企業サイドからみると「目的や需要に縛られて新たな事業への投資への自由度が奪われる政策は、効果が一部の業界や投資項目に偏る」(経団連)として、さほど歓迎されていない。

ただ、財政状況の厳しい中で法人税を一律下げることについては、甘利担当相も「財政余力との相談になる」と指摘しており、財政再建とのバランスに政府も苦慮する面があるのは事実だ。

もっとも企業にとって、部分的には評価されるべき政策も盛り込まれている。ベンチャー企業支援策として、中小企業事業者の借り入れの際に「個人保証」を求める慣行からの脱却を目指すことが盛り込まれた。商工中金では「アジアへの進出という海外展開支援策と、個人保証の見直しにより、中小企業は新事業の展開がやりやすくなる」として、歓迎している。

<産業構造改革に不可欠な雇用流動化、明記されず>

日本再生のもう一つの切り札として成長戦略に期待されていたのが、雇用の流動化策だ。日本が海外企業から遅れをとった原因の一つが、不採算事業からの撤退の遅れと新規事業への円滑な雇用資源のシフトが進まないことにあると、専門家は指摘している。

今回の成長戦略では、厳しい条件の下で実施されている人員整理解雇を、条件を緩和して好況時にも、企業が大胆な事業再編が行いやすよう雇用シフトを進め、一方で再雇用などセーフティネットを拡充することが求められていた。

例えば、電機業界では不採算事業からの撤退が遅れ、競争力低下を招いたが、企業からは「解雇条件が厳しく、国際競争力低下の要因となっている」(5月ロイター企業調査)との声が寄せられていた。

こうした状況について、日本総研・調査部長の山田久氏は「欧米企業と比べて競争上、不利になっている。日本では不況期に事業再編のための整理解雇が認められているが、本来は景気のいいときに、新事業が出てきて、人とカネをシフトさせるべきで、それをルール化して背中を押すことが必要」だと指摘している。

なぜ、議論が進まなかったのか──。山田氏はそもそものメンバー選びに失敗したとみている。本来は政労使で議論するはずのこの問題について、産業競争力会議の会合では経営者と学者と政治家だけが議論をし、労働者側のメンバーを参加させていない。このため、労働者側に後ろ向きの解雇との印象を与えかねないとの懸念を生み、「小粒の政策ばかり」(山田氏)に終わってしまったとも言えそうだ。

<喫緊の課題・賃金引上げ策、明確な目標なし>

安倍首相が掲げた国民所得の増加は、円安コスト転嫁や期待インフレ率の芽生えなどで物価が上がり始め今、賃金上昇が喫緊の課題となるなか、重要なテーマに浮上している。

しかし、「どうやって賃金を上げるかについては、首相は微妙に避けている」(熊野氏)と指摘される。目標数字を掲げるにしても、「国民所得の増加というわかりにくい概念をもちだすよりも、賃金増加目標を掲げる方がはるかにわかりやすい」(同氏)というわけだ。

このほか、安倍首相は国家戦略特区での国際ビジネス環境を盛り込んだ。外国人医師の受け入れや、容積率規制の緩和などを挙げている。もっとも特区による試みがどの程度波及していくのか未知数だ。

安倍首相は、アベノミクスが異次元緩和と大規模な財政出動による一時的効果に終わらないと力説してきた。

そして、今回の成長戦略でも「目標を達成するまで政策を打ち続ける」と力説した。踏み込み不足となった主軸の政策についても、今後も議論を継続し見直しが入る可能性はあるだろう。経団連では「今後、防災対策や企業に優しい成長戦略に信頼が持てれば、企業も、震災後に海外シフトした中長期事業計画を再考することになるかもしれない」とみている。

(ロイターニュース:中川 泉 編集:田巻 一彦)

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