B787型機 米国で運航再開

 【シカゴ時事】米航空大手ユナイテッド航空は20日、1月のバッテリートラブルを受けて運航を停止していた米ボーイングの最新鋭旅客機787型機の商業運航を、約4カ月ぶりにヒューストンとシカゴを結ぶ国内線で再開した。エチオピア航空が4月に世界で初めて同型機の運航再開に踏み切ったが、主要航空会社ではユナイテッドが初めて。
 米連邦航空局(FAA)は4月26日、ボーイングのバッテリー対策実施を条件に、787型機の運航再開を承認。6月には全日本空輸、日本航空も再開する予定。
 20日の運航再開便には、ボーイングのマクナーニ最高経営責任者(CEO)と、ユナイテッドを運営する米航空持ち株会社ユナイテッド・コンチネンタル・ホールディングスのスマイゼックCEOも搭乗。スマイゼックCEOは「787では類いまれな空の旅を体験できる。運航再開に興奮している」とコメントした。 

施設の子供の民間奨学金創設

 児童養護施設を出て進学を目指す人を対象にした民間の奨学金制度を福岡でも創設しようと、今月、福岡市で実行委員会が設立された。東京ではNPO法人が2011年に始め、これまでに27人が奨学金を受けて学んだ。児童養護施設はさまざまな事情で親と同居できない子供たちが暮らし、退所後は自立のため進学を諦めて就労する例が多い。制度はそんな子供たちの夢をかなえるために生まれた。【関谷俊介】

 制度は施設の子供らを支援する東京都のNPO「ブリッジフォースマイル」が「カナエール」と名付けて始めた。制度に賛同する支援者から1口2000円の寄付を集め、学生1人当たり一時金30万円、毎月3万円の奨学金を支給する。主に東京で毎年希望者を募り、10人ほどを選考している。

 単に現金を支給するだけでなく、奨学生の意欲を高めるため、大学や専門学校で学びたいことや将来の夢について、ボランティアのアドバイスを受けてスピーチの文案を練り、支援者の前でスピーチしてもらう。進学後も支援者との交流会やツイッターなどのSNS(ソーシャル・ネットワーキング・サービス)を通して物心両面で奨学生を支えていくのも特徴だ。

 「ブリッジ」代表の林恵子さん(39)によると、奨学金で専門学校に進み、保育士資格を取って施設で働き始めた男性もいる。今年の応募者も看護師や英語教師などそれぞれの夢を6月にスピーチする予定だ。

 福岡で実行委員会を設立し、同じ制度を準備しているのは児童養護施設の子供たちを支援するNPO「スマイリーフラワーズ」代表、窪田広信さん(35)=福岡市。窪田さんは東京のカナエールを手伝う一方、福岡県内の施設で進学したくても学費が足りずに悩む子供たちを見てきた。

 「カナエールは子供の自立を促し、周囲の理解者も増やせる」。そう考えていた今年2月、林さんから東京以外でも展開したいと打診があった。林さんは「東京には企業の寄付による独自の奨学金制度を持っている施設もある。貧困、地域格差を断ち切るためには、地方で開催してこそ意味がある」と話す。

 福岡では奨学生5人を想定し、9月までに500万円の寄付集めを目標にする。6月8日午後2時、福岡市博多区博多駅前2の福岡商工会議所で支援者向け説明会を開く。奨学生希望者への案内は10月以降の予定。問い合わせは「スマイリーフラワーズ」内の実行委092・791・4360。【関谷俊介】

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