IMF専務理事の自宅捜索 仏

【パリ宮川裕章】フランス捜査当局は20日、国際通貨基金(IMF)トップのラガルド専務理事(57)が仏財務相在任中の07~08年、当時の与党の「国民運動連合」に近い実業家と仏銀行との損害賠償問題に不正に介入した権力乱用などの疑いが強まったとして、専務理事のパリの自宅を家宅捜索した。仏メディアが一斉に伝えた。

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 実業家は90年代の企業売却をめぐり、当時一部国営だった仏大手銀行「クレディ・リヨネ」とトラブルになった。ラガルド氏は07年、この件を調停委員会で裁定することを決め、調停委は08年7月、銀行側に4億ユーロ(492億円)の賠償金支払いを命じた。

 捜査当局は、調停委での裁定を決めたことに権力乱用の疑いがあるとみている模様だ。公金横領共謀の疑いも視野に捜査を進める。

 ラガルド氏の弁護人は仏メディアに「今回の捜索でラガルド氏に刑事責任がないことが証明されるだろう」と語った。

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