ゼブラフィッシュで肥満研究

 【井上翔太】人間の「食べる」行動をつかさどる遺伝子を調べるため、淡水魚「ゼブラフィッシュ」の体内にある人間と同じ遺伝子を活用して研究をスピードアップさせる手法を、三重大大学院医学系研究科の田中利男教授(薬理学)の研究チームが開発した。

 肥満や神経性の食欲不振などを防ぐ研究や新薬の開発がより早く進む可能性がある。26日付の米学術誌プロスワンに掲載された。

 田中教授によると、ゼブラフィッシュは主要な臓器の構造などが人間によく似ていることが知られていて、食を進める遺伝子と抑える遺伝子も同じであることがわかっている。

 田中教授らは、体が透けて見える研究用ゼブラフィッシュを使い、食行動に関する遺伝子を操作。プランクトンなどのえさに色素を加えて、実際に食べた量を測定できるようにした。

 ゼブラフィッシュはマウスと比べて飼育などの費用が少なくて済むうえ、個体の成長が早いので、遺伝子を操作して成長した後の影響も早く知ることができる長所があるという。

 田中教授は「肥満になる前の治療や、予防のための食行動の把握につなげたい」と話している。

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