冷凍カツオ価格急騰 業界懸念

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 鰹節(かつおぶし)などの原料となる冷凍カツオの価格が今年に入り急騰している。国際価格高騰に、このところの円安が追い打ち。焼津市の市場ではこの1年で2倍近く値上がりし、水産加工業者の経営を圧迫する。国際的な資源保護を背景に、価格は高止まりで推移する可能性もあり、関係業界に懸念する声が広がっている。
 4月初旬、焼津市の焼津港で冷凍カツオは1キロ250円と1年前の2倍近い今年最高値を付けた。ほぼ同時期、鹿児島市の山川港でも257円と2010年の水準から約2倍の最高値に。あまりの急騰は、市場関係者や全国の鰹節業者を驚かせた。
 両県の鰹節組合などによると、鳥インフルエンザなどの影響による魚食ブームで、近年は世界的にツナ缶の需要が拡大。不漁や太平洋での国際漁獲規制強化もあって、国際相場となるタイ・バンコク市場の相場は昨年来、高騰を続ける。
 さらに円安を背景に、これまで日本に水揚げされていたカツオの一部が、ドル建てのバンコク市場に回っていることも日本国内の品薄感に拍車を掛けているとされる。
 一部の国内大手鰹節メーカーは値上げを始めた。中小の鰹節業者もパック詰め商品を減量するなど苦肉の策に出ている。焼津市の鰹節業者は「これまでも加工賃を切り詰め、ギリギリの経営努力をしてきた。この魚価高では全く収益が出ない」とため息を漏らす。
 食品メーカーも苦慮する。はごろもフーズは5月にツナ缶製品の値上げに踏み切った。上げ幅は10~15円だが、同社は「たとえ1円でも、消費者の価格への視線は極めて厳しい」(経営企画部)と気をもむ。
 焼津鰹節水産加工業協同組合の久野匠一組合長は「国内産の鰹節が高値になれば、将来的には外国産が流入する可能性もある」と指摘。カツオの安定供給に向け、国内での水揚げ促進など、国や漁業者に支援を求める。

 冷凍カツオの国際相場と円安 タイはツナ缶製造工場の集積地で、世界シェアの約25%を占めるとされる。タイ・バンコク相場は2011年初めに1トン1500ドルだったが、今年4月に2350ドルと昨年の最高値を上回った。バンコク市場はドル取引のため、円安ドル高が進むと、取引代金のドルを円に換算した時に差益が出る。


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