TPP参加で農業は崩壊するのか

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 日本のTPP(環太平洋経済連携協定)交渉参加にあたって最大の焦点といわれているのが農業分野です。

 まず、仮に日本がTPPに参加して関税が撤廃されると、海外の安い農林水産品が大量に国内市場に流入し、日本の農業が大打撃を受けるという見方があります。

 影響が大きいとみられるのは、関税率が高いコメ(778%)、バター(360%)、砂糖(328%)、小麦(252%)などです。

 例えばコメの場合、関税が撤廃されると、主にアメリカやオーストラリアで生産される比較的品質の良いコメが、いま日本で流通している同水準の品質のコメと置き換わります。政府試算によると、その量は国内で流通しているコメ全体の3割程度、金額にして約6500億円です。

 外国産より品質の良い国産のコメは7割くらい市場に残りますが、安い輸入米の影響で値下げしなければなりません。値下げ金額の合計は約3700億円と見られ、輸入米と置き換わる分と合わせると、コメの生産額は計1兆円あまり減る計算になります。コメを含む主な農林水産品の合計生産額(約7.1兆円)は3兆円ほど減るそうです。

 ただし日本政府は農業を保護するため、コメ、麦、牛・豚肉などを関税撤廃の例外扱いにするよう交渉で求めていく方針です。

 一方で影響の小さい農産品もあります。例えばトウモロコシや大豆は無税、果物の関税率は5~15%程度ですが、リンゴなどはほとんどが国産品です。また、レタスやホウレンソウなどの葉物野菜は長時間の輸送で鮮度が落ちてしまうので、国産品のほうが有利になります。

 TPP参加でもう1つ懸念されているのが食料自給率で、政府試算ではカロリーベースで39%から27%程度に低下します。食料の大半を輸入に頼るようになると、海外で食料価格が高騰したり、品薄になったりしたとき、調達が難しくなり、食料不足になると心配する人もいます。

 しかし、日本では減反でコメの生産調整が行われているので、コメの値段が下がって消費が増えれば、生産が増えて実際は食料自給率が上がるという見方もあります。また、日本の農産物の品質の良さは国際的にも定評があります。TPP参加を機に、農地の集約や大規模化を進め、農業の競争力強化を進めれば、農産物を海外に輸出していくチャンスだという意見もあります。


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