G大阪 J2での苦戦は必然か

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■ようやく理想型が見えた2列目

「札幌戦ではいいサッカーが出来たので、それを継続出来るかどうかがこの試合のポイント」。長谷川健太監督が戦前語ったように、今季初の連勝を賭けた東京V戦は、復調の兆しを「確信」へと変える絶好の場だった。

結果はシュート17本を放ちながらのスコアレスドロー。往々にして、ネガティブな印象がつきまとう無得点の引き分けではあるが、指揮官が「一つ決まれば立て続けに入る形を作っていた」と一定の満足感をにじませれば、遠藤保仁も「本当にフィニッシュの部分だけ」と前向きに試合を振り返った。

「3点取らないと勝てない守備をまず改善したい」とキャンプ中から、守備戦術の浸透に力を注いだ反面、攻撃に関しては「基本的に自由にやらせている」と選手たちの自主性を重んじた指揮官ではあったが、ようやくにして見えた理想型が札幌、東京Vで見せたセカンドラインの配置である。

「キーマンは二川と家長」(長谷川監督)。2列目が適正ポジションとは言えない阿部浩之に代わって、家長昭博が右のワイドを託されると機能不全に陥っていた右サイドが一転してストロングポイントとして相手を脅かす。「僕はどちらかというと、前に急ぎたがるタイプだけど、アキ(家長)がいれば、そこでタメが出来る」(二川孝広)。

東京V戦の前半は、相手のワンボランチの両脇にあるスペースに面白いようにつけ込み、放ったシュートは実に10本。たられば、は意味をなさない事は承知しているが、ピッチで対峙した高原直泰も「チームが今までに経験した事がないパス回し」と素直にシャッポを脱いでいた。

■選手から聞こえてくる、昨季と同じような言葉

西野朗元監督時代から、個任せだった守備(当時の圧倒的な攻撃力を考えれば、理にかなっていたスタイルだ)に、確かな守備戦術を確立しつつある上に、2年目の西野貴治が独り立ちし始めるなど、長谷川色は確実に浸透しつつある。

ただ、チームは忘れていないだろうか。屈辱のJ2降格を強いられた昨シーズン、わずか1つの勝ちに泣いたことを。猛攻を見せながら、決定力に泣いた最終節の磐田戦のことを。

「決定機はあったので、それを決めれば何の問題もない」(遠藤)。「前半点が取れなかったことが引き分けに終わった原因」(藤春廣輝)。似たような言葉は、まだ危機意識に欠けていた昨シーズンの半ばに幾度となく耳にした。

神戸が首位を快走している上に、G大阪にはコンフェデレーションズカップの前後に遠藤と今野泰幸が離脱するという潜在的な懸案事項がつきまとう。しかも、昨季3度の途中離脱を強いられた加地亮のバックアッパーにも未だ目処がつかない有り様だ。

昇格だけが目的ならば、目くじらを立てることはないのかも知れない。ただ、「優勝してJ1に昇格する」「ぶっちぎりで昇格したい」(長谷川監督)のならば、序盤の取りこぼしはもはや許されまい。

「一番やってはいけないゲーム。これで負けていた可能性もあったので決めるところは決めないといけない」という家長の言葉をチーム全体で反芻できるかどうか――。

リーグ戦は、早くもその2割を終えている。


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