暴風雪で父が守った娘元気に

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 今月2日、北海道北部を襲った暴風雪で遭難した湧別町の漁師・岡田幹男さん(享年53歳)が長女の夏音(なつね)ちゃん(9)を救うために凍死した事故から約1か月。26日、スポーツ報知の取材に応じた原田雅美町長(71)によると、夏音ちゃんは元気な様子で「お父さんは漫才が大好きでした。私は漫才師になりたいです」と将来の夢を明かしているという。

 浮かべた笑顔を、誰より喜んでいるのは天国のお父さんだろう。たった一人の娘の命を、父親が自らを犠牲にして救った事故から約1か月。夏音ちゃんは原田町長に笑って話しかけたという。「お父さんは人を笑わせることが大好きで、よくテレビで漫才を見ていました。私も人とお話しするのが好きですし、漫才師になりたいと思っています」

 事故時に発症した足の凍傷の治療のため、直後から入院していた夏音ちゃん。原田町長は14日に病室を見舞い、退院後の25日には、現在の住まいとなっている町内の親類宅を訪問。夏音ちゃんを励ました。町長は事故が与えた精神的影響を心配していたが、夏音ちゃんは元気に振る舞ったという。「また犬の散歩をしたいです」「担任の先生が持ってきてくれた宿題、すぐ終えちゃった」。町長の「何か食べたいものある?」との問い掛けには「シチューが食べたいです」と即答。2人の間の約束になった。

 夏音ちゃんは、事故当時の様子についても語ったもようだ。話を聞いた町長によると、幹男さんは牧場の倉庫の扉を何度も開けようとしたが、施錠されていて開かなかった。携帯電話が鳴ったものの猛吹雪で取ることができず、気が付くと夏音ちゃんは眠り込んでしまっていたという。

 湧別町によると、事故後、町には夏音ちゃんを励ます内容のメールが199件、手紙が122通寄せられた。「お父さんが立派な人だったと思います」といった激励の文面ばかりで、中には現金が封入されたケースもあったという。風船や絵の具、ダンボールいっぱいのおもちゃ、ぬいぐるみも贈られ、それらを町長から届けられた夏音ちゃんは「しっかり読んで、返事を出して(手紙の差出人と)お友達になりたいです」と喜んでいたという。4月からは新4年生として以前と同じ町立小学校に通う予定だ。

 原田町長は「心配しましたが、すっかり元気になった様子でした。将来にわたって、しっかり見守っていきたいと思っています」と話している。

 ◆3月2日の事故 湧別町を激しい暴風雪が襲った2日午後4時頃、岡田さん親子は町内の自宅を出た後、行方不明に。3日午前7時過ぎ、付近の牧場の敷地で雪に埋もれた状態で発見された。ジャンパー姿の幹男さんは倉庫の扉と自分との間にスキーウエアを着た夏音ちゃんを入れ、抱き締めるように覆いかぶさった状態で凍死していた。夏音ちゃんは軽度の凍傷のみで命に別条はなかった。幹男さんは2年前に病気で妻を亡くし、夏音ちゃんと2人暮らしをしており、家事と仕事を男手一つで両立させていた。


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